いものびと講座 2-2 ダクタイル2(JIS規格) www.asaichuzo.com

次にこの"ダクタイル鋳鉄"の詳細について説明しましょう。

前のページなどでもお話ししましたが,炭素(黒鉛)が球状になっています。

この炭素を球状にするために,特別な処理を施します。

工業的にはマグネシウム(Mg)を添加することにより,黒鉛を球状化させます。
Ce(セリウム)などでも球状化する事が確認されていますが高価なため使用されていないようです。
配合割合は1%前後で各社で溶解条件等に会わせて調整しているようです。
鋳物のページでも述べましたが,JIS規格では,ダクタイル鋳鉄の場合にも, 化学成分に関してはほとんど規定しておらず鋼とは異なります。
下に球状黒鉛鋳鉄品の引張試験規格を示します。(JIS G5502)(1995)
球状黒鉛鋳鉄品の機械的性質
種類の記号 引張強さ
(N/mm2)
耐力
(N/mm2)
伸び
(%)
シャルピー吸収エネルギー(J)
試験温度 3個の平均値 個々の値
(参考)
硬さHB
FCD350-22 >350 >220 >22 23±5    17以上     14以上 150以下
FCD350-22L >350 >220 >22 -40±2    12以上     9以上 150以下
FCD400-18 >400 >250 >18 23±5    14以上     11以上 130-180
FCD400-18L >400 >250 >18 -20±2    12以上     9以上 130-180
FCD400-15 >400 >250 >15 −       −        − 130-180
FCD450-10 >450 >280 >10 140-210
FCD500-7 >500 >320 >7 150-230
FCD600-3 >600 >370 >3 170-270
FCD700-2 >700 >420 >2 180-300
FCD800-2 >800 >480 >2 200-330