いものびと講座 3-3 鋳物1(鉄の製造法) www.asaichuzo.com

次に鉄の製造方法についてお話ししましょう。

現在広く用いられている製鉄法は溶鉱炉(高炉)を用いる方法です。
概略図を下に示します。

その溶解炉の中に上から鉄鉱石、コークス(炭素),石灰石を交互に入れ, 熱風炉で熱した空気を吹き込んで,次の化学式で示されるような反応が起こります。
  (式1)
コークス(C)が燃えて1500度の高温になり,一酸化炭素(CO)ができ,炉内を上昇します。
そのときにその一酸化炭素が鉄鉱石を還元し,四酸化三鉄を作ります。(式1)
このように一酸化炭素と鉄の酸化物がどんどん反応してゆき(還元反応),次の2式の反応を起こして 鉄(銑鉄)ができあがります。(式2,式3)
以上の工程でできあがった鉄は"銑鉄"と呼ばれるもので, 炭素等の不純物の量により鋳物の原料と鋼の原料とに分けられます。
また,その銑鉄を転炉などにより炭素量を減らしたものが"鋼"であり, 普通,"鉄"と呼ばれるものはこの"鑛(ハガネ)"を指します。
"鋼"は大変いろいろな用途があります。
圧延して鉄板にし,特殊な方法により処理すると自動車用の鋼板になります。 またビルや工場の鉄骨材料になりますし,メッキ等の処理を施せば缶詰などの缶になります。
あまり上手に説明することができませんが,鉄の世界は広く,大変細かいものです。
世界で最も多く使われている金属  "鉄"をもっとみなさんに知っていただけたらと思います。

(終わり)