いものびと講座 3-2 詳しい説明2(状態図) www.asaichuzo.com

次に鉄と鋳鉄を比較するために鉄−炭素系状態図を示します。

 一般に言う "鋼" は図の左端のあたりに位置します。 炭素量としては2%から3%ぐらいまでの低炭素の合金です。
これに対し,鋳鉄は炭素量が多く,主に状態図の右半分の合金にあたります。

融点について説明します。炭素の量が2wt%(鋼),4wt%(鋳物)で比べてみます。

2wt%の鋼の場合,右の図の2のラインを上に上がっていくと(図中線), 約1360度ぐらいで析出が始まることがわかります。

それに対して,4wt%の鋳鉄の方は,図中の線で示されるとおり, 約1200度で析出が始まることがわかります。


このように鋳鉄は融点が低いことや,溶融体の流動性がよいことから, いろいろな形状を作りやすいという利点があります。

しかし,いろいろな形状を作ることができるといっても, いろいろな条件がそろわないとよい製品はできません。
最も問題になるのが凝固形態の複雑さです。